落語
無礼講の罠
2026.04.25
閲覧数: 1,548
落語・一席
高座本編
小判:
えー、皆様、本日は
ようこそお越しくださいました(笑)」
小判:
座布団亭小判でございます(笑)
小判:
いやぁ、この時期になりますとね、(笑)
小判:
新入社員の皆様は、(笑)
小判:
初めての『飲み会』というものに(笑)
小判:
胸を躍らせていらっしゃるかもしれませんね(笑)
小判:
ええ、しかし、この『飲み会』には、(笑)
小判:
いくつかの罠が潜んでいるもんでございます(笑)
小判:
特に厄介なのが、(笑)
小判:
『無礼講』という、(笑)
小判:
なんとも甘美な響きを持つ言葉でしてね(笑)
うんうんと頷く客席
小判:
これがまた、とんでもない曲者でございます(笑)
小判:
とある会社の、新人・太郎君(笑)
小判:
初めての部署飲み会でございます(笑)
小判:
部長さんがね、(笑)
威張った様子で
小判:
太郎!今日は無礼講だ!(笑)
小判:
日頃の鬱憤も不満も、(笑)
小判:
全部ここで吐き出せ!(笑)
小判:
遠慮はいらんぞ!(笑)
太郎、目を輝かせる
小判:
はい!部長!(驚)
小判:
では、実は私、(困)
小判:
この前の企画書なんですけど、(困)
隣の先輩、太郎の足を踏む
小判:
い、痛たたた!(驚)
小判:
太郎、お前、(怒)
小判:
何を言おうとしたんだ?(怒)
小判:
え、だって、無礼講って…(困)
小判:
馬鹿野郎!(怒)
小判:
『無礼講』というのはな、(呆)
小判:
上司が若手を試す、(呆)
小判:
罠の言葉なんだぞ!(怒)
小判:
本当に無礼なことを言ったら、(怒)
小判:
後でどうなるか分からんぞ!(怖)
太郎、青ざめる
小判:
ひえぇ…(怖)
小判:
そうこうしているうちに、(笑)
小判:
部長さんのご機嫌が良くなりましてね(笑)
グラスを傾けながら
小判:
いやぁ、太郎!(笑)
小判:
お前は本当に期待の星だ!(笑)
小判:
だがな、お前には足りないものが一つある!(怒)
シーンと静まり返る
小判:
は、はい!なんでしょうか!(驚)
小判:
それはな!(怒)
小判:
情熱だ!パッションだ!(怒)
小判:
俺が若い頃はな、(怒)
小判:
徹夜で企画書を書き上げて、(怒)
小判:
そのまま取引先へ直行したもんだ!(怒)
小判:
今の若者は、(怒)
小判:
どうも覇気が足りん!(怒)
延々と続く説教に、太郎は俯く
小判:
す、すみません…(困)
先輩、そっと太郎の肩を叩く
小判:
(小声で)太郎、(呆)
小判:
これも無礼講の一環だ(呆)
小判:
上司が気持ちよく説教するための、(呆)
小判:
『免罪符』みたいなもんだからな(呆)
小判:
ええぇ…(困)
小判:
さて、宴もたけなわ(笑)
小判:
いよいよお会計の時間でございます(笑)
ウェイターが伝票を持ってくる
小判:
おい、伝票だ!(笑)
小判:
今日は俺が奢る!(笑)
小判:
と言いたいところだが!(笑)
小判:
いや、今日は割り勘でいい!(笑)
一同、少し困惑
小判:
いやいや、部長!(困)
小判:
いつもご馳走になっておりますので、(困)
小判:
ここは私たちが!(困)
小判:
いや、いいんだ!(怒)
小判:
割り勘で!(怒)
小判:
だがな、太郎!(笑)
小判:
お前、電卓が得意だったな?(笑)
小判:
計算してくれ!(笑)
太郎、慌ててスマホを取り出す
小判:
は、はい!(驚)
カチャカチャと電卓を叩く音
小判:
えーと、合計で8万5千円なので、(困)
小判:
8人で割ると、1人1万625円です!(困)
小判:
むむ…1万625円か…(悩)
小判:
キリが悪いな!(怒)
小判:
よし、俺は1万5千円出す!(笑)
小判:
残りは皆で割ってくれ!(笑)
一同、顔を見合わせる
小判:
えーと、すると、残りが7万円で、(困)
小判:
7人で割ると1人ちょうど1万円ですね!(笑)
小判:
おお!そうか!(笑)
小判:
さすがは先輩だ!(笑)
小判:
じゃあ、俺は1万5千円で、(笑)
小判:
お前たちは1万円ずつな!(笑)
小判:
え、でも、先輩…(困)
小判:
本当は1万625円だったのに、(困)
小判:
1万円だと、(困)
小判:
部長が5千円多く払ってる計算に…(困)
小判:
(小声で)太郎!(怒)
小判:
馬鹿野郎!(怒)
小判:
部長は『俺は5千円多く出した!』と(呆)
小判:
思いたいんだよ!(呆)
小判:
分かったな!(怒)
小判:
は、はい…(怖)
そして、結局、微妙な端数は若手が負担することに
肩を落とす太郎
小判:
飲み会の帰り道、(笑)
小判:
太郎君は先輩に尋ねました(笑)
小判:
先輩…(困)
小判:
結局、『無礼講』って、(困)
小判:
なんだったんですか?(困)
小判:
(タバコをふかしながら)太郎、(呆)
小判:
あれはな、(呆)
小判:
上司が気持ちよく説教するための、(呆)
小判:
『呪文』みたいなもんだよ(呆)
小判:
じゃあ、割り勘も…(困)
小判:
割り勘もな、(呆)
小判:
結局は若手が多めに払う、(呆)
小判:
『社会勉強費』なんだよ(呆)
小判:
そ、そんなぁ…(泣)
がっくりと肩を落とす太郎
小判:
いやぁ、世の中は難しいもんでございますね(笑)
小判:
皆様も、飲み会では、(笑)
小判:
どうぞお気をつけあそばせ(笑)
パン!と手を叩く音
小判:
お後がよろしいようで(笑)
🎯 このコーナーの狙い
このコーナーは、現代社会の「あるある」を落語という伝統芸能の形式で表現することで、若者から年配層まで幅広い視聴者に共感と笑いを届けることを狙っています。特に、ビジネスシーンにおける「無礼講」という建前や、誰もが一度は経験する「上司の説教」、そして微妙な「割り勘論争」といった、日常に潜む滑稽な人間模様をユーモラスに描くことで、視聴者に「自分もそうだった!」という共感と、それに対するカタルシスを提供します。古典落語で描かれる市井の人々の営みや機微を、現代のサラリーマン社会に置き換え、風刺と滑稽さを両立させることで、古典の新しい可能性を探る実験的な試みでもあります。
※ 本コンテンツはエンターテインメントおよび研究を目的とした創作台本です。実在の人物・団体とは関係ありません。
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