落語
回覧板、光る盆栽の怪
2026.09.21
閲覧数: 927
落語・一席
高座本編
下足:
えー、皆様、本日は、(笑)
深々と頭を下げる
下足:
お忙しい中、わたくし座布団亭下足の、(笑)
下足:
初めての高座にお運びいただきまして、(泣)
下足:
まことに、まことに、ありがとうございます。(驚)
はにかむように顔を上げる
下足:
師匠の極上からは、(泣)
下足:
『お前はまだ、足元にも及ばぬ』と、(怒)
下足:
お叱りを受ける毎日でございますが、(笑)
下足:
どうか、最後まで、(笑)
下足:
お付き合いいただけますと幸いです。(笑)
下足:
さて、皆様、回覧板というもの、(笑)
客席を見渡し、少し間を置く
下足:
ご存知でございましょうか。(笑)
下足:
ええ、今や、なんでもデジタルな時代、(笑)
下足:
スマホ一つで情報が飛び交う世の中。(笑)
下足:
しかし、この昔ながらの回覧板、(驚)
下足:
まだまだ健在でございます。(笑)
下足:
ご近所付き合いの、(笑)
下足:
なんとも言えない温かみと、(笑)
下足:
そして、ちょっぴりの、(怖)
下足:
煩わしさを運んでくる代物でして。(笑)
下足:
ええ、あるところに、(笑)
手を膝に置き、やや前傾姿勢になる
下足:
盆栽をこよなく愛する、(笑)
下足:
ご隠居さんがおりました。(笑)
下足:
このご隠居さん、(笑)
下足:
毎日縁側で、(笑)
下足:
盆栽の手入れをするのが日課。(笑)
下足:
『んー、今日の松は、(笑)
下足:
一段と気品があるのう』と。(笑)
下足:
そんな風に独り言を言いながら、(笑)
下足:
穏やかな日々を送っておりました。(笑)
下足:
ある日の午後、(笑)
ピンポーンとインターホンのモノマネ
下足:
ピンポーン、と。(笑)
下足:
玄関の戸を開ければ、(笑)
下足:
お隣の奥さんがにこやかに、(笑)
下足:
ご隠居さん、回覧板でございますよ。(笑)
下足:
と、差し出すのが、例の回覧板。(笑)
下足:
おお、ご苦労さん。(笑)
下足:
ご隠居さん、めがねをかけて、(笑)
めがねをかけるしぐさ
下足:
じっくりと読み始めました。(笑)
下足:
『町内清掃のお知らせ』『夏祭り準備会』と、(笑)
下足:
最初はまともな内容でございました。(笑)
下足:
ところが、頁をめくるごとに、(驚)
ページをめくるしぐさ
下足:
ん?なんだか余白に書き込みが。(驚)
下足:
『〇〇さんの家の犬、最近よく吠える』。(笑)
下足:
『△△さんのところの息子さん、夜遊びが過ぎる』。(笑)
下足:
ほう、これは面白い。(笑)
下足:
と、ご隠居さん、面白がって読んでおりますと、(笑)
下足:
次のページに、こんな一文が。(驚)
下足:
『ご隠居さんの盆栽、夜中に奇妙な光を放つ』。(驚)
下足:
な、なんだと!(驚)
目を見開いて、やや前のめりになる
下足:
ご隠居さん、目を皿のようにして、(驚)
下足:
わしの盆栽が光るじゃと?(怒)
下足:
と、怒り心頭でございます。(怒)
下足:
『まさか、隣の奥さんが書いたのか!(怒)
下足:
わしの盆栽は、そんな怪しいもんじゃない!(怒)
下足:
これは、濡れ衣じゃ!(怒)』
下足:
ご隠居さん、その晩から、(笑)
懐中電灯を持つしぐさ
下足:
盆栽の見張りを始めまして。(笑)
下足:
夜中にうつらうつらしておりますと、(笑)
下足:
隣の奥さんがそっと、(驚)
下足:
ご隠居さんの家の庭を覗いておりまして。(怖)
下足:
ご隠居さん、やっぱり盆栽、(怖)
下足:
光るんですか?(怖)
下足:
いや、光らん!(怒)
下足:
と、ご隠居さん、大声で返しますと、(怒)
下足:
奥さん、ひぃぃぃと、(怖)
下足:
腰を抜かして逃げていきまして。(怖)
下足:
翌日には町中に、(驚)
下足:
『ご隠居さん、夜中に盆栽と会話している』、(笑)
下足:
という新たな噂が。(笑)
下足:
なんでじゃ!(怒)
下足:
と、ますます混乱のご隠居さんでございました。(泣)
下足:
結局、盆栽が光るという噂は、(笑)
下足:
お隣の小学生が、(笑)
下足:
ご隠居さんの家の庭で、(笑)
下足:
光るヨーヨーで遊んでいたのを見間違えた、(笑)
下足:
という、なんとも呆れるようなオチでございました。(笑)
下足:
しかし、ご隠居さん、それ以来、(笑)
下足:
回覧板が回ってくるたびに、(怖)
下足:
まず自分の名前が書かれていないか、(笑)
下足:
真っ先に探すようになったとか。(笑)
下足:
ええ、お後がよろしいようで。(笑)
一礼し、深々と頭を下げる
🎯 このコーナーの狙い
このコーナーでは、現代社会に潜むアナログなコミュニケーションツール、特に「回覧板」が持つ独特の面白さと、そこから派生する人間模様をテーマに、古典落語の形式を踏襲した新作落語を披露します。狙いは、身近な題材から生まれる「あるある」という共感と、噂話が肥大化していく滑稽さを通じた笑いです。古典落語の「長屋の花見」や「時そば」のように、日常の些細な出来事を誇張し、人々の勘違いや滑稽さを笑いに変える手法を用いています。
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※ 本コンテンツはエンターテインメントおよび研究を目的とした創作台本です。実在の人物・団体とは関係ありません。
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