漫才
ワイヤレスイヤホン片方喪失事件と過去の業
2025.12.25
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【しゃべくり漫才】
A
猿も木から墜落
「木から落ちても、墜落しても、我々は這い上がってみせる!…ただし、あなたを蹴落としてからね!」
A
どうもー!
B
猿も木から墜落です!
A
えー、どうも!
A
皆さん、突然ですが、現代近所の噂話において最も普遍的かつ個人的な悲哀とは何か、ご存知でしょうか?
B
いきなり理屈っぽい入り方すな!
B
漫才やで、ここ!
A
いや、これは極めて重要な問いかけなんです。
A
論理的に考えてみてください。
A
通勤電車の中、誰もが抱くであろう絶望感の源泉…それは、ワイヤレスイヤホンを片方だけ側溝に落とした時、そのわずかな隙間から見える、手の届かない輝き…
B
輝きちゃうわ!
B
ゴミや!
B
いや、落ちた方はゴミちゃうけど、落ちて見える景色はゴミやろ!
A
いえ、あの、反射によって生まれる光沢を、私は主観的にそう表現したまでで…
B
どっちでもええわ!
B
で、お前、落としたんか?
A
ええ、まさに昨日。
A
あの、一瞬の不注意が、私のQOLを著しく低下させました。
A
片耳だけ音楽が聴こえる状態というのは、まるで世界が半分になったような、あるいは自分だけが片肺飛行を強いられているかのような、形容しがたい…
B
( ≡ ゚Д゚)<食い気味に!大袈裟やねん!
B
片耳イヤホンしてる奴なんて山ほどおるわ!
B
そこまで悲壮感漂わせる必要あらへん!
A
しかしですね、Bさん。
A
この悲哀は、現代に生きる我々にとって、ある種の通過儀礼であり、人生の苦難を象徴する出来事でもあるんですよ。
A
例えば、大事な試験に落ちた時の絶望感、あれに近いものがある。
B
バシィッ!!(ドツく音)(床を竹刀で叩く)お前、またそういうこと言う!
B
学歴コンプレックスをイヤホンに重ねるな!
A
《《 謎の感動 》》いや、これは比喩表現として…!
B
まったく。
B
でも、まあ、ワイヤレスイヤホンを落とす気持ちは分からなくもないわ。
B
私も昔、初めてのオーディションで緊張しすぎて、ステージからマイク落として、そのまま側転して逃げたことがあるからな。
A
( ◠‿◠ )(笑顔で圧)ほう。
A
それはまた、Bさんらしい、と申しますか。
A
常に失敗を恐れない、その…勇敢な行動が、今につながっていると。
A
素晴らしいですね。
B
( ˙-˙ ) …間……なんか含みがあるな、その言い方。
A
いえいえ、とんでもない。
A
ただ、Bさんのその、いわゆる『失敗談』を、観客の皆さんが『共感』や『親近感』として受け止めて、あたかもBさんが我々の中で一番人気であるかのような錯覚に陥るのが、( ¬_¬)(ゴミを見る目)私としては、どうにも看過できないのですよ。
B
( # ゚Д゚)<!語気荒く!何や、藪から棒に!
B
お前、まさか…
A
_(:3 」∠)_(ズコーッ!)(フリップを取り出す。
A
そこには、Bがオーディションでマイクを落とし、顔を真っ赤にして側転しようとして中途半端に倒れている、加工済みの写真が映し出されている。
A
キャプションには『B氏、初のオーディションで公開処刑されかけた図(加工済み)』とある)
B
( ꒪Д꒪)(白目)おい!
B
それ、いつの間に!
B
しかも加工しとるやろ!
B
側転じゃなくて、ただの転倒やし!
B
『公開処刑されかけた』って、もっとひどいこと書いとるやんけ!
A
( ◠‿◠ )(笑顔で圧)いや、私は真実を伝えているだけです。
A
この写真を見れば、Bさんの『鬼教官』としての厳格なイメージが、いかに虚構に満ちたものであるか、お分かりいただけるかと。
B
虚構ちゃうわ!
B
バシィッ!!(ドツく音)(Aの頭を竹刀で叩く)痛っ!
B
ていうか、これは私の過去の恥ずかしい写真やろ!
B
なんでそんなもん持っとんねん!
A
( ゚ρ゚ )(思考停止)私が、Bさんの人気をこれ以上高めないための、いわゆる『リスク管理』です。
A
この程度の情報操作は、エンタメ業界では常識的な範疇かと。
B
常識なわけあるか!
B
バシィッ!!(ドツく音)(床を竹刀で叩く)やり直し!
B
今すぐその写真隠せ!
B
隠せって言ってんだろ!
A
彡 サッ(無視)はぁ…私が理路整然と語っている最中に、なぜそこまで感情的になられるのか、理解に苦しみますね。
A
やはり、Bさんはその…学術的な素養が…
B
( ・_・) (・_・ ) …時が止まる…お前、今なんて言った?
B
もう一回言ってみろ!
B
学術的な素養がどうだって?
A
《《 謎の感動 》》(焦りながら)いや、その、Bさんは、そういった、えーと、つまり、その…
B
バシィッ!!(ドツく音)(Aの足元を竹刀で叩く)言えんのか!
B
やり直し!
B
最初からやり直し!
A
くっ…!
A
私のイヤホンの悲哀は、どこへ…
B
ありがとうございました!
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