落語

猫の皿

2026.10.28 閲覧数: 909
編集長コメント:演じ方のコツ
EDITOR'S NOTE

このネタは「間」の取り方とセリフの抑揚が特に重要な構成です。声に出してテンポを合わせ、ボケとツッコミの呼吸を意識して演じることで爆笑を生み出せます。

落語・一席
高座本編
小判: えー、皆様、
パン!と手を叩く音
小判: ようこそお越しくださいました。(笑)
高座扇を広げ、ゆっくりと見回す
小判: 本日は『猫の皿』という、
小判: ちょっと欲深いお話でございます。(笑)
ニコリと微笑む
小判: 時は江戸の昔、とある山奥の宿に、
小判: 一人の旅人が泊まりました。(笑)
右手をひらひらさせる
小判: この旅人、骨董品を見る目が
小判: やたらと肥えているんですな。(笑)
小判: 宿は鄙びたもので、
顔をしかめ、肩をすくめる
小判: 障子も破れていたり、
小判: 夕餉の膳も質素なもの。(笑)
小判: しかし、旅人はそんなことより、
小判: 宿の隅でくつろぐ一匹の猫に、
小判: 目を奪われました。(驚)
姿勢を低くし、猫を撫でる仕草
小判: その猫が、何やらごちそうを
小判: 食べている器を見て、
小判: 旅人の顔色が変わった。(驚)
ハッと息をのむ仕草
小判: それは紛れもなく、
小判: 古伊万里の逸品、
小判: それも珍しい色絵の深皿!(驚)
小判: 猫のご飯に使われているとは!(驚)
旅人になりきり、声色を変える
小判: (ゴクリと唾を飲み)
小判: おや、亭主さん。(笑)
小判: その猫が使っているお皿は、
小判: なかなか年季が入ってますな。(笑)
努めて平静を装う声
小判: へえ、そうでございますかい?(笑)
人の好さそうな、とぼけた声
小判: 何十年も前から、
小判: うちの猫が代々使ってるもんで。(笑)
小判: 何の変哲もない、ただの皿ですわ。(笑)
首を傾げる仕草
小判: いやいや、それがどうも、
小判: 少しばかり変わった造りに見えまして。(笑)
小判: なんじゃ、この模様は?(笑)
わざとらしく首をかしげる
小判: ひび割れも少々。(笑)
小判: まあ、拙宅でも猫を飼っておりましてな。(笑)
小判: もしよろしければ、
小判: そのお皿、譲っていただけませんかな?(笑)
小判: うちの猫の飯碗にでもしようかと。(笑)
猫を飼っているフリをする
小判: え?猫の皿でございますか?(驚)
目を丸くする仕草
小判: そりゃあ、珍しいお方だ。(笑)
小判: 別に構いませぬが、
小判: そんな値打ちのあるもんじゃ…(笑)
少し考える素振り
小判: いやいや、お気持ちで結構。(笑)
小判: ほら、これ、一分差し上げましょう。(笑)
懐から小銭を取り出す仕草
小判: 猫の皿に一分なら、
小判: 十分でございましょう?(笑)
自信満々の表情
小判: 一分でございますか。(驚)
旅人の顔をじっと見る
小判: うーん…。(笑)
顎に手をやり、思案する
小判: 実はですな。(笑)
急に真顔になる
小判: 先日、江戸から来た
小判: お偉いさんがおってな。(笑)
小判: その方も、この皿を
小判: えらく気に入ってしまって。(笑)
小判: ぜひ譲ってくれと、
小判: しきりに頼むもんで。(笑)
旅人、顔色が変わる
小判: な、なんですと!(驚)
焦りの色を見せる
小判: ええ、それがですな。(笑)
小判: 「この皿は、猫の皿にしては
小判: ずいぶん立派だ。
小判: 実は猫が二匹いるから、
小判: もう一枚、同じような皿を
小判: 探しているんだ」と。(笑)
ニヤリと笑う
小判: …え?(驚)
言葉を失う
小判: で、そのお方が、
小判: 「この皿一つに、
小判: 金十両出すから、
小判: 同じ皿をもう一枚、
小判: 見つけてくれないか」と。(笑)
腕を組み、得意げな顔
旅人、真っ青になる
小判: じ、十両だと!?(驚)
がっくりと肩を落とす
小判: ええ、それで、
小判: 「もし見つからなかったら、
小判: この皿だけは、
小判: 五両で買い取ってやる」と。(笑)
したり顔で、旅人を見つめる
旅人、ガクンと膝から崩れ落ちる
小判: くそっ、しまった!(怒)
小判: 先を越された!(怒)
悔しさに顔を歪める
小判: 欲の皮を突っ張らせて、
小判: 安く買い叩こうとした旅人。(笑)
小判: まさか亭主がそれ以上に、
小判: 一枚上手だったとは。(笑)
肩をすくめる
小判: 結局、旅人はその皿を
小判: 諦めて宿を出て行ったとか。(笑)
小判: 猫の皿、されど猫の皿。(笑)
小判: 人の欲とは、恐ろしいもんで。(笑)
扇子をたたむ
小判: お後がよろしいようで。(笑)
深々と一礼

🎯 このコーナーの狙い

このコーナーの狙いは、古典落語の普遍的なテーマ「人間の欲と価値観のズレ」を、現代の聴衆にも没入感を持って楽しんでもらうことです。古典演目「猫の皿」を下敷きにしながら、小判の爽やかな語り口と、鮮明な情景描写、そして登場人物の細やかな感情表現を付加することで、「新作落語」としての深みとエンターテイメント性を追求しています。特に、旅人と宿の亭主の駆け引きにおける「欲の皮の突っ張り方」の描写に焦点を当て、聴衆が自身の経験と重ね合わせながら笑えるような構成を意識しました。

※ 本コンテンツはエンターテインメントおよび研究を目的とした創作台本です。実在の人物・団体とは関係ありません。

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