落語
ヘアサロン・ミラクル
2026.10.28
閲覧数: 1,734
落語・一席
高座本編
高枕:
えー、皆様、本日は
ようこそお越しくださいました(笑)」
高枕:
(ぺこりとお辞儀)
ありがとうございます(笑)」
高枕:
さて、私ども
落語家はですね、
頭を丸めることはあっても、
髪型に凝る、なんてことは
滅多にございませんでね(笑)」
高枕:
ええ、しかし、
世の中は違いますな(笑)
男も女も、お洒落に気を使う(笑)」
高枕:
特に、あの、
美容室でございます(笑)
わたくし、あれがどうにも
苦手でしてねぇ(笑)」
高枕:
何が苦手かと申しますと、
あの…会話、ですな(笑)
延々と続く、社交辞令の
質問攻めですよ(笑)」
高枕:
『今日はどちらから
お越しですか?』なんてね。
『ええ、家からでございます』
なんて言ったら、そりゃあ
怒られますわな(笑)」
高枕:
ええ、そんな美容室に
まつわるお噺でございます(笑)」
扇子をポンと叩く音
高枕:
わたくしの知り合いにですね、
熊五郎さんという方が
おりましてね(笑)」
高枕:
この熊さん、普段は
床屋さん専門でございまして(笑)
しかし、カミさんに
『あんたもたまには
美容室に行ってみなさいよ!
今時、床屋なんて!』なんて
言われましてねぇ(笑)」
高枕:
(仕方ないなぁ…)と
重い腰を上げまして、
近所の『ヘアサロン・ミラクル』
という、なんだか期待を
持たせる名前の店へ
行ったわけでございます(笑)」
カランコロンとドアのベルの音
高枕:
店のドアを開けますと、
若い女性の美容師さんが
ニコニコと出迎えます(笑)」
高枕:
いらっしゃいませー!
本日はどういった感じに
されますかー?(笑)」
高枕:
あー…ええと、
短く、サッパリと…
あと、その…
ちょっと若々しく、
今風の…(汗)」
高枕:
熊さん、もうこの時点で
何を言ってるのか
自分でも分かってない(笑)」
高枕:
かしこまりましたー!
お任せください!(笑)」
高枕:
そして、お馴染みの
シャンプータイム(笑)
あの、首がカクンとなる
椅子でございます(笑)」
ザバザバと水が流れる音
高枕:
いよいよ、地獄の
会話タイムの始まりです(笑)」
高枕:
お仕事、お忙しいですかー?(笑)
高枕:
ええ、まあ、
ぼちぼちでございます(汗)」
高枕:
休日は何されてるんですかー?(笑)
高枕:
ええ、あの、
家でゴロゴロと…(汗)」
高枕:
へぇー!
インドア派なんですねぇ!
素敵ですー!(笑)」
高枕:
熊さん、内心で
『素敵ってなんだよ!』と
ツッコミを入れたかったが、
グッと堪えます(笑)」
ジョキジョキとハサミの音が響く
高枕:
ハサミの音が
耳元で響くたびに、
熊さんは
『(うわぁ…なんかどんどん
短くなっていくような…)』と
不安に駆られます(怖)」
やがて、ハサミの音が止まる
高枕:
はい、お待たせいたしましたー!
いかがですかー?(笑)」
椅子がクルッと回る
高枕:
鏡に映った自分を
見た熊さん、
一瞬、誰か分からなかった(驚)」
高枕:
(鏡に映るは…
これは…誰だ?!(驚))
まるで…ボウリングの玉みてぇな
頭じゃねぇか!(怒))」
高枕:
あ、あー…
ありがとうございます…
サッパリしましたぁ…(汗)」
高枕:
声は震えていたそうです(笑)
そして、会計を済ませ、
店を後にします(笑)」
とぼとぼと歩く足音
高枕:
家に帰り着いた熊さん、
玄関のドアを開けますと、
カミさんが顔を出します(笑)」
高枕:
あら、あなた、
帰ってきたの?
って、あんた、誰?!(驚)」
高枕:
おいおい、俺だよ、俺!
熊五郎だよ!(怒)」
高枕:
だって、あんたの頭…
なんか、丸坊主じゃないの
これ?!(驚)」
高枕:
坊主じゃねぇ!
サッパリと、
今風にしたんだよ!(怒)」
高枕:
今風って…まるで、えーと…
そう!漬物石みたいじゃない!(笑)」
高枕:
漬物石だと?!(怒)
高枕:
その時、奥から
子供たちが顔を出しましてね(笑)」
高枕:
パパ、なんか、
頭が卵みたい!(笑)」
高枕:
あはは!ツルツルだー!(笑)
高枕:
お前らまで!うるさい!(怒)
高枕:
ええ、その日から、
熊五郎さんはずっと
帽子を被って出かけるように
なったそうでございます(笑)」
高枕:
ただ、不思議なもんでねぇ、
しばらく経って、
髪が伸びてきたら、
案外、それが似合って
くるもんでございますよ(笑)」
高枕:
ええ、結局のところ、
髪の毛ってのはね、
いくら変な形になっても、
また伸びてくるもんで
ございますからねぇ(笑)」
高枕:
どんな髪型になろうとも、
人生、丸く収まるもんで
ございます(笑)」
高枕:
ええ、お後がよろしいようで(笑)
パン!と手を叩く音。会場から拍手が沸き起こる。
🎯 このコーナーの狙い
このコーナーでは、現代社会の「あるある」や日常のささやかな不満を、古典落語の滑稽話の形式に乗せて表現することで、幅広い層の視聴者に共感と笑いを届けることを狙っています。特に、美容室での「気まずい会話」や「期待と現実のギャップ」といった、多くの人が経験したことのあるテーマを取り上げることで、普遍的な笑いを引き出し、落語という伝統芸能の現代的な魅力を再発見する実験的な試みです。
※ 本コンテンツはエンターテインメントおよび研究を目的とした創作台本です。実在の人物・団体とは関係ありません。
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